朝井リョウの『イン・ザ・メガチャーチ』を読みました。

「推し活」やファンダムを題材に、人が何かにのめり込んでいく様子を描いた小説です。

特に、絢子たちが「ブルームマイセルフ」にハマっていくところは、読んでいて結構怖かったです。

最初は自分を前向きにしてくれる存在だったのに、だんだんそのコミュニティの言葉や価値観が、自分の中で当たり前になっていく。「あれ、これって新興宗教みたいじゃない?」と感じました。

ただ、登場人物たちを見て「自分はこうはならないな」とも言えないんですよね。僕にも、ハマりすぎて生活に支障が出た経験があるので、、、

今回は、この本を読んで考えた「何かに夢中になること」について書いてみます。

モンストにハマりすぎて、ゲームをやめた話

大学生の頃、僕は『モンスターストライク』にかなりハマっていました。

超・獣神祭が来たら数万円を課金。友達と昼ごはんを食べているときもモンスト。家に帰っても、家事を後回しにしてモンスト。

今振り返ると、ちょっとやりすぎですね。ゲームを楽しむというより、生活がモンスト中心になりかけていました。

その後、公務員浪人をすることになり、「このままではまずい!」と思ってモンストをやめました。そこから社会人になってSwitchを買うまでの2年ほどは、ゲーム自体ほとんどしていませんでした。

一度始めたら、またハマりすぎてしまいそう。それなら最初からやらない方がいい、という気持ちもありました。

ゲームをやめたら、今度は「勉強しなきゃ」に

ゲームをしなくなって、その分時間を使うようになったのが読書やニュースです。

世の中で何が起きていても「興味ない」で済ませる大人にはなりたくない。歴史や経済など、色々なことを知っておきたいと思っていました。

それ自体は今でも大事だと思っています。ただ、だんだん「知りたい」よりも「知らなきゃいけない」という気持ちが強くなっていたんですよね。

新聞を隅々まで読んでいたら、あっという間に2時間。よく分からない記事もとりあえず最後まで読んで、「今日も新聞を読んだぞ」と満足する。

本も「これが知りたい!」というより、「教養として読んでおかないと」という感じで、だんだんタスクをこなすようになっていました。

一方で、好きなアーティストの映像を1時間見たときは、「あぁ、この時間で本を読めたのに、、、」と罪悪感を覚える始末。

好きな映像を見て楽しんだだけなのに、なぜか反省している。今思えば、ちょっと自分に厳しすぎました。

ハマりすぎるのを避けようとするうちに、好きなことをただ楽しむ時間まで「もったいない」と思うようになっていたんだと思います。

久しぶりにゼルダをやったら、普通に楽しかった

そんな考えが変わり始めたのは、社会人になって久しぶりにゲームを買ったときでした。

Switchを買って遊んだのは、昔から好きだったゼルダシリーズの『ブレス オブ ザ ワイルド』です。

案の定、めちゃくちゃハマりました。

広い世界を歩き回って、気になる場所があれば寄り道。また気になる場所を見つけて、さらに寄り道。そんなことをしていると、気づけば何時間も経っています。

でも、このときは不思議と「時間を無駄にしたな」とは思わなかったんですよね。

「やっぱりゲームって楽しい!」

本当にそれだけでした。時間を忘れるくらい夢中になれるって、幸せなことだなと感じました。

考えてみれば、今でもよく覚えている楽しかった時間って、何かにハマっていたときが多いです。

高校生の頃は、グランドスラムが始まるのを楽しみにして、ロジャー・フェデラーの試合に一喜一憂していました。好きなアーティストの歌声を何度も聴いたり、ハイラルをひたすら歩き回ったりした時間もそうです。

こういう時間が、何かの知識やスキルにつながったかは分かりません。でも、試合の日を楽しみに待ったり、好きな歌を何度も聴いたりしていた時間は、今でもよく覚えています。「何かの役に立ったか」だけで考えると、そういう時間まで無駄だったことになってしまう。それはちょっと違うよな、と思うようになりました。

歳をとっても、ハマれるものが欲しい

『イン・ザ・メガチャーチ』を読むと、何かにのめり込みすぎる怖さを感じます。

一つのコミュニティや考え方が自分の中ですべてになってしまうと、ほかのものが見えなくなる。僕もモンストで家事まで後回しにしていたので、他人事ではありません。

ただ、だからといって、何かに夢中になることまで避けなくていいんだと思います。むしろ読み終わって、「ハマれるものがあるって、やっぱりいいよな」とも感じました。

本やニュースで知らないことを学ぶ時間も欲しい。でも、スポーツの試合を楽しみにしたいし、新しいゲームもやりたいし、好きなものについて何時間でも話したい!

歳をとっても、そんなふうに楽しめるものがあってほしいです。何にもハマれなくなったら、僕はちょっと寂しい気がします。

もちろん、生活に支障が出るほどやりすぎるのは気をつけたいところ。ただ、何をするにも「これは何の役に立つんだろう」と考えていたら、疲れてしまいます。

「今日も楽しかったな」と思える時間を、もう少し気軽に楽しんでいきたいです。

結局、人生は楽しんだもん勝ちですからね。

ABOUT ME
ちょす
20代後半男性、現役地方公務員。家族は妻。過去の体験や、読書・AI・趣味・仕事の経験を通して、「自分で人生を選ぶ力」を育てるヒントを発信しています。